物部(もののふ)の

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<口語訳>
たくさんの少女たちが入り乱れて水を汲んでいる寺の井戸。その足もとにはカタクリの群れが。

万葉集より。編集長の大伴家持の歌です。
「物部の」は「もののふの」と読み、八十(やそ)にかかる枕詞です。
「堅香子の花」はカタクリの花とするのが定説です。
口語訳として文章にしづらい歌です。
なぜなら「八十乙女」の姿は、実際に見たものではなく、心に浮かんだものだからです。
作者は、少女の群れを実景として見たのではなく、カタクリの群生を少女の群れに見立てたのです。
カタクリの群生が可憐に咲く様子が、たくさんの少女が嬌声をあげながら次々に水を汲んでいる姿として心に映ったのでしょう。
だから、一輪を撮った写真ではこの歌のイメージになりません。
この写真を撮った「カタクリの里」の看板にも、この歌が載っていました。
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by eight__zhongguo | 2011-03-31 16:21 | 歌人の見た風景
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